3-1.Amazon EC2インスタンス作成

ここからはAmazon Web Servicesの中心機能であるAmazon EC2で「netcommons」という国産のCMS(コンテンツマネジメントシステム)を稼働させるためのAmazon EC2インスタンス作成手順を説明します。

私にもできちゃった!NetCommonsで本格ウェブサイト
第2版: ネットコモンズ公式マニュアル

Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)とはサーバ、ネットワーク、ストレージ、セキュリティなどの機能を備えたインフラストラクチャー(設備くらいの意味)です。

今まではサーバ機を機能させるにはOSをインストールし、使いたい機能を備えたソフトウエアをインストールする必要がありました。しかし、Amazon EC2ではインスタンスを作成するという作業がサーバ構築にあたります。
Amazon EC2インスタンスとはAmazon EC2の中で動くサーバ機そのものと思えば理解しやすいでしょう。

それでは、Amazon EC2インスタンスの作成を行ってみましょう。

まず、AWSマネジメントコンソールから「EC2」を選択すると「EC2 Dashboard」画面が表示されます。この「EC2 Dashboard」画面でAmazon EC2の操作を行います。
AWSマネジメントコンソール画面への入り方は「1-2.AWSマネジメントコンソール」投稿を参照下さい。

1ec2DashBoard

「EC2 Dashboard」画面で「Create Instance」項目の[Launch Instance]ボタンを押すと「Step1:Choose an Amazon Machine Image(AMI)」画面が表示されます。

2ec2SelectAMI

今回は無料枠を利用したいので「Amazon Linux AMI Linux6.4」の[Select]ボタンを押すと「Step2:Choose an Instanse Type」画面が表示されます。

3ec2ChooseInstanceType1

画面下部の[Next:Configure Instance Details]ボタンを押すと「Step3:Configure Instance Details」画面が表示されます。

5ec2InstanceDetail1

画面下部の[Next:Add Storage]ボタンを押すと「Step4:Add Storage」画面が表示されます。

7ec2AddStorage1

[Add New Volume]ボタンを押し「Type」に「EBS」を選択後、[Next:Tag Instance]ボタンを押すと「Step5:Tag Instance」画面が表示されます。

8ec2AddStorage2

「Step5:Tag Instance」画面の「Value」に判別しやすい任意の名前を入力し[Next:Configure Security Group]ボタンを押すと「Step6:Configure Security Group」画面が表示されます。

10ec2CongiurationSecureGroup

「Step6:Configure Security Group」画面の「Protocol」に「SSH」が表示されていることを確認します。表示されていない場合は[Add Rule]ボタンで追加します。
Webサーバとしてインスタンスを作成する場合は「HTTP」を追加します。
最後に[Review and Launch]ボタンを押すと「Step7:Review Instance Launch」画面が表示されますので内容を確認後、[Launch]ボタンを押します。

11ec2ReviewInstanceLaunch

「Select an existing key pair or create a new key pair」ポップアップ画面が表示されます。

12ec2KeyPair

最初のセレクトボックスの「Choose an existing key pair」を「Create a new key pair」に変更し、「Key pair name」に任意のキーペア名を入れて、[Download Key Pair]ボタンを押します。
ここでダウンロードしたキーペアをパソコンに保管して下さい。このキーペアは1回しか取得できません。キーペアは再取得可能ですが、前回と同じ内容のキーペアの取得ではありませんので、過去に行ったキーペアに関連する設定を全てやり直すことになります。

ダウンロード後、[Launch Instances]ボタンを押すとインスタンスが作成されます。


←「2-7.Amazon S3に自動バックアップ」はこちらです。

⇒次は「3-2.Amazon EC2インスタンスSSH接続」を説明予定です。


◆クラウドデザインパターン書籍◆

Amazon Web Services クラウドデザインパターン実装ガイド

Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド

Posted in Amazon Web Services, EC2, netcommons, クラウド | 3-1.Amazon EC2インスタンス作成 はコメントを受け付けていません

2-6.Amazon Route 53で独自ドメイン利用

ホームページの公開ができたら独自ドメインを使って閲覧できるようにします。
独自ドメインは世界中で唯一の住所みたいなもので取得するには早い者勝ちになります。
分かりやすい独自ドメインを取得してホームページを公開しましょう。

AWSで独自ドメインを使えるようにするには「Amazon Route 53」にDNS情報の設定が必要です。

下記バナーから入って独自ドメインを取得できます。


ドメインの設定を理解するにはゾーンという言葉の理解が必要です。
ゾーンとは、ネームサーバがドメインを管理する範囲です。ネームサーバはドメインとIPアドレスの管理を行ってくれます。
AWSではもう一つゾーンという言葉が出てきますので混乱しないでください。
AWSで使うゾーンとはリージョンの中の区分けされた場所を表しています。
リージョンについては「2-5.Amazon S3でホームページ公開」投稿の中で簡単に説明しています。

■DNSのゾーン設定
「AWSマネジメントコンソール」から「Route 53」サービスに入ります。
画面上部の[Create Hosted Zone]ボタンを押し下記を入力し画面下部の[Create Hosted Zone]ボタンを押します。
・Domain Name:cloudguard.jp
・Comment:backup site

r53-1

r53-2

■DNSのレコード設定
ソーン設定が終わるとレコードの設定を行います。
画面上部の[Go to Record Sets]ボタンを押すとゾーン情報が表示された画面に変わるので画面下部の[Create Record Set]ボタンを押します。

「cloudguard.jp」に関するレコード情報を登録していきます。

画面右に出る下記項目を入力し画面下部の[Create Record Set]ボタンを押します。
・Name: ←何も入れません
・Type:A-IPv4 address ←初期表示のまま
・Alias:Yesを選択
・Alias target: ←cloudguard.jp(s3-website-us-east-1)を選択
画面左Nameに「cloudguard.jp.」、Typeに「A」が入れば設定完了です。

r53-3

r53-4

r53-5

r53-6

「www.cloudguard.jp」も同じようにレコード情報を登録していきます。

画面上部の[Create Record Set]ボタンを押すと新しいレコード入力画面が表示されます。
画面右に出る「Name:」と「Type:」と「Value:」を入力し画面下部の[Create Record Set]ボタンを押します。
・Name:www
・Type:CNAMEを選択
・Value:www.cloudguard.jp.s3-website-us-east-1.amazonaws.com
「www」はサブドメインと呼ばれるもので一般的にホームページのドメイン時に使われます。
「value」に入れた文字列は「6.Amazon S3でホームページ公開」で公開した中で説明したEndpointを使います。
画面左Nameに「www.cloudguard.jp.」、Typeに「CNAME」が入れば設定完了です。

■レジストラのネームサーバ更新
今回は「cloudguard.jp」ドメインを管理している「お名前.com」の管理画面から変更します。
更新するネームサーバにはAWSの「Roue 53」管理画面から「cliudguard.jp」をダブルクリックしレコード情報を表示させます。
TypeがNSのレコードに設定してあるValue情報をネームサーバに設定します。

【今回のValue情報】
ns-51.awsdns-06.com.
ns-1386.awsdns-45.org.
ns-1781.awsdns-30.co.uk.
ns-1011.awsdns-62.net.

このとき、Valueに設定してあるネームサーバにはドメインの最後に「.」が付いているので「.」を除いた情報を設定します。

r53-7

■ホームページ表示確認
ブラウザから「http://cloudguard.jp」と「http://www.cloudguard.jp」で閲覧したい画面が出れば設定完了です。
ただし、設定を行ってもすぐに閲覧できません。
レジストラのネームサーバ更新内容が反映されるまで数時間から数日かかります。
2~3時間後に閲覧表示確認をして下さい。


←「2-5.Amazon S3でホームページ公開」はこちらです。

⇒次は「2-7.Amazon S3に自動バックアップ」を説明予定です。


◆クラウドデザインパターン書籍◆

Amazon Web Services クラウドデザインパターン実装ガイド

Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド

Posted in Amazon Web Services, Route 53, クラウド | 2-6.Amazon Route 53で独自ドメイン利用 はコメントを受け付けていません

2-5.Amazon S3でホームページ公開

Amazon S3では簡単にホームページを公開することができます。
ただし、静的ページのみです。静的ページとは動的ページではないという意味で、プログラムなどがHTMLを造出しないページのことを意味します。
PHPやJaveなどで造出されたページが動的ページと言う事になります。
ホームページの公開とは世界中のだれでもホームページを見ることができるようにすることです。
Amazon S3のホームページ公開にはWebサーバと言われるソフトウエアのインストールを行う必要がありません。
Webサーバとはブラウザによるホームページ閲覧に対してホームページの情報を送受信するソフトウエアです。
有名なWebサーバソフトウエアはapache(アパッチ)とIIS(アイアイエス:Internet Information Services)があります。

事前準備として独自ドメインでホームページを公開するためのドメイン取得が必要です。
ドメインは数々の取得業者(レジストラ)で取得可能ですが、私の場合「お名前.com」で取得しています。

初めての方はこの画像をクリックすると入れます。


それでは、本題のホームページ公開の話の戻ります。
今回の説明では「http://cloudguard.jp」でも「http://www.cloudguard.jp」でも閲覧が可能になるような例を説明します。
実際に設定する場合には「cloudguard.jp」部分を取得業者(レジストラ)で取得したドメイン名に置き替えて設定をして下さい。

「AWSマネジメントコンソール」から「Amazon S3」に入ります。
「AWSマネジメントコンソール」への入り方は「1-2.AWSマネジメントコンソール」を参照下さい。
「Amazon S3」への入り方は「2-1.Amazon S3にサインイン」を参照下さい。

■まずは「Amazon S3」画面で下記情報を入力して新しいバケットを作成します。
「cloudguard.jp」と「www.cloudguard.jp」ふたつのバケットを作成する必要がありあります。
ひとつめの設定は
Bucket Name:cloudguard.jp
Region:US Standard
ふたつめの設定は
Bucket Name:www.cloudguard.jp
Region:US Standard

s3BucketMake

今回はバックアップ用のサイトを作るため、東京ではなくアメリカのリージョンを選択しました。
リージョンとはクラウドサービスを利用できる地域のことです。サーバが置いてある場所と思った方が理解しやすいかもしれません。
東京にあるサーバが災害などで壊れた時のために東京以外のリージョンを選びました。

■次に公開したいコンテンツを「Amazon S3」にアップロードします。
2-3.Amazon S3のファイルサーバ利用」の投稿に従いコンテンツ(HTMLファイル)をアップロードします。
今回は「index.html」と「error.html」を「cloudguars.jp」バケットの直下にアップロードしました。
「www.cloudguars.jp」にはコンテンツのアップロードは行わず、後ほど設定するリダイレクト設定で「www.cloudguars.jp」の閲覧を可能にします。

s3FileMake

■コンテンツ閲覧許可を設定します。
[cloudguard.jp]バケット上で右クリックしてプルダウンメニューから「Properties」を選択し画面右の[Permission]をクリックし情報を開きます。
[Add bucket policy]をクリックし「Bucket Policy Editor」を開き下記文字列を入力[Save]ボタンを押します。
▼ここから入力情報▼
{
“Version”: “2012-10-17”,
“Statement”: [
{
“Sid”: “AddPerm”,
“Effect”: “Allow”,
“Principal”: {
“AWS”: “*”
},
“Action”: [
“s3:GetObject”
],
“Resource”: [
“arn:aws:s3:::cloudguard.jp/*”
]
}
]
}
▲ここまで入力情報▲

(注意)ここで「cloudguard.jp」部分は公開のために取得したドメイン名に変更して下さい。

s3Properties

s3Permissions

s3BucketPolicyEditor

■次に公開するための設定を行います。
[cloudguard.jp]バケット上で右クリックしてプルダウンメニューから「Properties」を選択し「Static Website Hosting」をクリックしプロパティを開きます。

s3Properties

ここに表示されている「Endpoint」がブラウザからアクセスする時のURLになります。
後でDNS設定で使いますのでメモ帳などにメモして忘れないで下さい。後で参照することもできます。
今回のEndpointは「Endpoint: cloudguard.jp.s3-website-us-east-1.amazonaws.com」です。

s3Endpoint

「Enable website hosting」を選択し下記を入力し[Save]ボタンを押します。
Index Document:index.html
Error Document:error.html

s3StaticWebsiteHosting

次に[www.cloudguard.jp]に来た閲覧を[cloudguard.jp]にリダイレクトする設定を行います。
[cloudguard.jp]バケット上で右クリックしてプルダウンメニューから「Properties」を選択します。
「Redirect all requests to another host name」を選択し下記を入力し[Save]ボタンを押します。
Redirect all requests to:cloudguard.jp

s3Redirect

■公開の確認
ブラウザで下記URLでコンテンツ内容が表示されていることを確認します。
「http://cloudguard.jp.s3-website-us-east-1.amazonaws.com/」
「http://www.cloudguard.jp.s3-website-us-east-1.amazonaws.com/」

s3IndexHtml

エラー画面は直接下記URLを指定して表示内容を確認します。
「http://cloudguard.jp.s3-website-us-east-1.amazonaws.com/error.html」
「http://www.cloudguard.jp.s3-website-us-east-1.amazonaws.com/error.html」

s3ErrorHtml


←「2-4.Amazon S3と他の無料ストレージ比較」はこちらです。

⇒次は「2-6.Amazon Route 53で独自ドメイン利用」を説明予定です。


◆クラウドデザインパターン書籍◆

Amazon Web Services クラウドデザインパターン実装ガイド

Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド

Posted in Amazon Web Services, S3, クラウド | 2-5.Amazon S3でホームページ公開 はコメントを受け付けていません

2-4.Amazon S3と他の無料ストレージ比較

Amazon S3の無料枠は5GBまで利用可能です。
他の代表的な無料ストレージサービスを調査してみた。

Amazon Cloud Drive 5GBまで無料

Google ドライブと Google+ フォトの両方で 5 GB まで無料

Microsoft SkyDrive 7GBまで無料

Yahoo!ボックス 5GBまで無料

DropBox 2GBまで無料

Amazon Cloud Drive Photos – 5 GB of Free Storage

DuoFM: Plugin for Google Drive

Browser for SkyDrive

Dropbox


←「2-3.Amazon S3のファイルサーバ利用」はこちらです。

⇒次は「2-5.Amazon S3でホームページ公開」を説明予定です。


◆クラウドデザインパターン書籍◆

Amazon Web Services クラウドデザインパターン実装ガイド

Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド

Posted in Amazon Web Services, S3, クラウド, ストレージ | 2-4.Amazon S3と他の無料ストレージ比較 はコメントを受け付けていません

2-3.Amazon S3のファイルサーバ利用

Amazon S3をファイルサーバとして利用するためにソフトウエアのインストールなどの作業は必要ありません。
グラフィカルユーザインタフェース(graphical user interface、以下GUI)が準備されているので難しいコマンドを入力する必要もなくWindowsのエクスプローラのような感覚で操作が可能です。

Amazon S3をファイルサーバとして利用するには「S3 Console」というS3管理画面に入る必要があります。
「S3 Console」に入るには「AWSマネジメントコンソール」画面から「S3」を選択します。
AWSマネジメントコンソール画面の入り方は「1-2.AWSマネジメントコンソール」の投稿を参照下さい。

下記画面が「S3 console」画面ですがこの画面もまだ日本語化されていません。

S3managementconsole

■基本操作
ファイルサーバの基本操作は バケット作成 / フォルダ作成 / ファイルアップロード / ファイルダウンロード / フォルダ削除 / ファイル削除 / バケット削除 です。
その他、移動やコピーなどのファイルを操作する機能も備わっています。

バケットの説明は「2-2.Amazon S3独自の単語」投稿を参照下さい。

【バケット作成】
[Create Bucket]ボタンを押すと「Create a Bucket – Select a Bucket Name and Region」ポップアップが表示されますので「Bucket Name」の入力と「Region」の選択後、[Create]ボタンを押すことでバケットが作成されます。
「Region(リージョン)」とはAmazon S3ストレージがある場所になります。

createbucket

【フォルダ作成】
バケットをダブルクリックすることでバケット内に入ることができます。バケット内で[Create Folder]ボタンを押しフォルダ入力ボックスにフォルダ名を入力しエンターキーを押すとフォルダが作成されます。

createfolder

【ファイルアップロード】
アップロードしたいフォルダ内で右クリックし[Upload]リンクを押すと「Upload – Select Files」ポップアップが表示されます。[Add Files]ボタンを押すとWindowsの「ファイルを開く」ダイアログが表示されのでアップロードしたファイルを選択し[開く]ボタンを押とアップロードしたいファイルが選択されます。[Start Upload]ボタンを押すとアップロードされます。

upload

【ファイルダウンロード】
ダウンロードしたいファイルを選択し右クリックし[Download]ボタンを押します。確認ポップアップ画面が出るので[OK]を押すとファイルのダウンロードができます。

download

【フォルダ削除】
削除したいフォルダを選択し右クリックし[Delete]ボタンを押します。確認ポップアップ画面が出るので[OK]を押すとフォルダが削除できます。
【ファイル削除】
削除したいファイルを選択し右クリックし[Delete]ボタンを押します。確認ポップアップ画面が出るので[OK]を押すとファイルが削除できます。
【バケット削除】
削除したいバケットを選択し右クリックし[Delete]ボタンを押します。確認ポップアップ画面が出るので[OK]を押すとバケットが削除できます。

delete-file

delete-file-confirm

delete-file-done

■複数オブジェクト一括操作
Uploadポップアップ画面で「Enable Enhanced Uploader (BETA)」を押します。
「このアプレットを実行しますか」ポップアップが出るので[OK]を押します。
「Select files and filders to upload…」アプレットが出るのでアップロードしたいファイルやフォルダを選択し[開く]ボタンを押します。
アップロードしたいファイルやフォルダが表示されるので[Start Upload]ボタンを押します。

uploader

uploader-java

uploader-popup

uploader-select

これだけの操作でAmazon S3をインターネット上のファイルサーバとして利用することができます。


←「2-2.Amazon S3独自の単語」はこちらです。

⇒次は「2-4.Amazon S3と他の無料ストレージ比較」を説明予定です。


◆クラウドデザインパターン書籍◆

Amazon Web Services クラウドデザインパターン実装ガイド

Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド

Posted in Amazon Web Services, S3, クラウド | 2-3.Amazon S3のファイルサーバ利用 はコメントを受け付けていません